在宅医療には食支援という重要な分野があります。
在宅医療において食事の問題は避けて通れない問題です。しかし、食支援ということに関して医師はどれぐらいの造詣があるのでしょうか?
食支援を段階で考えてみました。
食材からはじまり、栄養の内容、本人の嗜好や習慣の問題、メニューとそこに至る調理方法、料理の嚥下しやすさへむけての加工、歯や口腔機能の問題、嚥下機能・消化機能・認識機能の疾病や老化による問題。
このような順序で考えることができると思います。
医師にとって価値提供できるのは、実は、最後の段階で精一杯ではないでしょうか。しかして、その最後の段階で、患者のQOLは向上するのでしょうか。むしろ、前半の段階にQOLに寄与できる価値が存在するのではないでしょうか?さらに、医師はその最後の段階でのリスクを見いだし禁止するという行動になりがちです。そこにおける医師の価値は限定的であり、しかも制限的な要素が目立つ存在となります。
しかし、医師に期待されるのは、リスクを知り避けるだけではなく「どのリスクを取るのか?」を積極的に考えていくべきで、その危険性を最小化するために必要な介入を考えていかなければいけません。患者や介護者とじっくり相談して、どのリスクをどのような方法で取るのか。そして、そのリスクが生じたときに行うことも決める。これで、はじめて「食支援」といえると思います。
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