2013年7月25日木曜日

患者の苦しみを他人の医療者が本当の意味で理解することはできない

僕たちが患者さんにとって役に立つことは可能でしょうか?

医療スキルは当然のことだと思います。
しかし、それと同等、いやそれ以上に、患者さんにとって大切なのは、僕たちがよき理解者であり、僕たちが患者さんから最後まで逃げない存在で居続けることなのではないでしょうか?

「他人の僕たちが、患者さんのことを本当の意味で理解することは到底難しい。患者さんの失われた時間を、僕たちは多分生きることができる。そんな関係の中で、患者さんの気持ちをわかったつもりになっても全くそれは一方的な思い上がりだろう。だがしかし、患者さんが、僕たちのことを理解者であると感じてもらうことは可能かもしれない。」(医師:小澤竹敏)

患者さん自身が本能的に感じる理解者としての人間が、一人でも増えれば、それがスピリテュアルな痛みを和らげることにつながります。

在宅医療をきっかけとして、患者さん達に出会う僕たちも、その一人の候補に入らなければいけません。そして、そのためには、自分自身の五感と心を研ぎすまさなければいけません。そして、どこまでも、逃げずに寄り添い続ける姿勢がなければいけません。もちろんこれは困難であり、どこまでいっても不十分な作業となるかもしれません。しかし、患者さんに関わるすべてのひとりひとりが、ここを目指し続けなければいけません。

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